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『出直しといで』全6巻 一色まこと










第19回講談社漫画賞受賞した

花田少年史を書いた一色まことの出世作で、

漫画フリークには不思議と人気があります



特に女性に人気ですね。




ラブコメ青春学園漫画の王道的な作品ですが

少女漫画のようなキラキラさはなく、


かわりに80年代後半の地方高校の

ほのぼのさとノスタルジックさが作品全体を包み、

各登場人物の、粗末だが当人にとっては重要な悩みが丹念に重ねられていきます





30歳も越えた今では、


『なんでそんな事で悩むんだ?

問題は解決すればよく、解決できない事は受け入れるしかない』


って考えて先に進めますが、



それが出来ない純朴な昭和の地方高校の生徒一人ひとりの悩みがそこにはあり、

そんなどうでも良い悩みにみんなで真剣に、全力で右往左往する

社会に出る前の高校生ですね。



全員悪気がなく

ブサイクも美人も秀才も差別がないネバーランドのような世界ですが

我々の昔も、一時にはこんな集団に身を置いた経験があるのではないでしょうか??




望郷の念にかられる、精一杯な集団を描かせたら天下一品な


一色まことの傑作をどうぞ



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『ツルモク独身寮』窪之内英策









88年〜91年までスピリッツで掲載された人気漫画



80年代後半の若者を丹念に描写した、リアルなラブコメ

非常に残念な形で映画化もドラマ化もされました





18歳の工業高校出身の田舎者が

東京に上京して家具工場に就職。


その独身寮で繰り広げられる、東京に上京してきた若者の光と影を映しています





綺麗で読みやすい絵でいて、勢いがあります。

その勢いと東京に憧れを持った若者の心理状態がリンクしており、

とても爽やかに伝わってきます。



今と変わらず、当時からアナーキーでニヒルでグランジな若者も居たのでしょうが、


東京に憧れ、不器用に突っ走って不発するような清々しい若者達の

恋愛模様や社会での挫折は、





まさに小田和正であり、クリスマスキャロルであり、

織田裕二や深津絵里的なバブルでした。





右肩上がりの社会において、

真っ直ぐに明日を信じる若者がソコにいます




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『クールパイン』全1巻 南Q太

南Q太!



何か言ってみたかっただけです・・・。


クラスに良く居る様なカワイイ子グループのカワイイ子
クラスに良く居る様なカッコイイ子グループのカッコイイ子



惰性で都立高校に通うようなかわいい子が、
高校のちょっと悪い先輩と遊ぶようになり、
やがて付き合い・・と言うストーリー




僕はコギャル全盛期のアラサー世代ですが、
僕の通っていた下町都立高校も正にこんな感じでした

力の向けどころが分からない少年と、
自分の価値が分からない主体性のない少女が戯れて・・・。



そんな少女の、
全然甘酸っぱくなく、瑞々しさの欠片もない初恋の仮定を、


リアル過ぎる程リアルに書いています


特に先輩に半ば強引にされてしまった処女喪失の部分とか、
その先輩が他の女と関係をもつとことか、
バイトの先輩に部屋に連れ込まれてしまうところとか、


本当にもう、リアルです


なんでああも流されるんですかね〜

自分の意思があるようで全くないのが悲しいです



夜の街で遊んだりして紆余曲折し、
結局は先輩が大好きになってしまう



視点が終始主人公の美女視点で、

『ああ、あんな風に感じていたんだな当時の子は』

と、その悲しい感情だけは嫌と言うほどこちらに伝わってきます




その感情はまさにタイトルの“クール”そのもの



“パイン”の出所は分かりませんし、調べません。


何故ならばこの物語は甘酸っぱくないですから



最後まで読んでいただきありがとうございます。
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『世界の終わりは君と一緒に』全1巻 桜沢エリカ

内田春菊等と同じようなカテゴリーの人で、
「女の子エッチ漫画家」という類の人、画力はほぼなし


チャランポランだが憎めない、六本木等の夜の街で遊ぶモテモテ男・ケイジを中心に、バブル→90年代のドラッグと性に溢れかえった若者の生活を中心に描く


桜沢エリカ氏の作品で唯一好きな漫画なのですが、
言葉に具現化できない空虚・空漠感があるのは不思議です
何故でしょう??映画、“櫻の園”に似ていますね・・・。


脈絡も目的も終着点もないままダラダラ展開する話は、
我々の青春時代とほぼ同じで、
しかしそれでもいつかは世間を受け入れなければならない

つまり、

目的もないまま、自堕落な生活をして自分の時間を一切将来に投資せず、
その日を楽しんでいる若者。その若者にとっての“世界の終わり”とは、

“世界の終わり”=“青春の終わり”

なのではないでしょうか?
そんな時横に誰がいるのか。


それは別に“子供と大人の狭間”で遊びまくっている
ケイジだけに限った話ではなく、サラリーマンでも結婚するまでは同じことです


学生の終わり、遊びの終わり、青春の終わり、


ケイジは“世界が終わる”迄に数多くいる女性の中から大事な人を見つけましたが、
残念、世界の終わりには競馬場でたった一人淋しそうでした


みなさんはどうでした?

僕も世界の終わりには一人になりました。


◆ボーイズ・オン・ザ・ラン 全10巻 花沢健吾






代表作が今春映画化されるということで、めでたい話です。


何やっても駄目な主人公の男が突っ走り、不発しかしないストーリー


駄目な主人公が頑張るのは、

アムロ君からシンジ君、のび太君まで大衆の共感を呼び定番ですが

この作品の秀逸な所は、

イケメンとかわいい子の書き方に集約されていると勝手に思います。


悔しいくらいに上手く、準ヒロインである植村ちはるが世の女性の醜悪な部分を受け持っており、



Q『ヤな女とは??』

A『ボーイズ・オン・ザ・ランの植村ちはる』



と答えられるくらいに完璧に描かれています。



なんだかんだと理由を付けては自分を肯定し、

都合の悪いことは全て他人のせい。

純粋を気取り、自身の汚い心根は覆い隠し、

屁理屈コネてイケメンに股を開く


自分の言うことを聞いてくれる男性を

『やさしい』とか『良い人』と良い、

部屋は汚く、健気さアピールで全て解決できると信じている。



そんなよく居る屑の様な女性の描き方は世界最高水準です。

モデルケースのようなキャラクターに感嘆しました。


爽やか笑顔で他人も自分も騙すイケメンも、あんな感じで合っています



しかしこの作者、僕と同じようにトコトン貧乏で暇な男が好きで、

イケメンと女全般が心底嫌いですね。



女尊男卑の世の中を憎む花澤健吾に、乾杯です



それと、今描いてるアイ・アム・ア・ヒーローが、

映画のアイ・アム・ア・レジェンドにインスパイアされ過ぎてて、

ボーイズ・オン・ザ・ランが

新井英樹の宮本から君へと酷似しているのは見て見ぬ振りをしましょう


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